飲食店で外国人を採用する方法

2021年08月17日  

外国人が日本で働くためのビザは大きく分けて、身分系のビザ、就労系のビザとあります。このうち、身分系のビザというのは永住権を持つ人や日本人と結婚した人たちで、彼らには就労制限というものが基本的にないため、どんな仕事にでもつくことができます。

ただし、身分系のビザというのは誰にでも取得することが出来るものではないため、そもそも日本に身分系のビザを持つ外国人はそれほどいません。そこで外国人採用を考えている人材不足に悩む企業にとっては、留学生をアルバイトとして採用することがもっとも多いと思われます。留学生は風俗関係の仕事をのぞいて週28時間までアルバイトをすることが認められています。留学生は卒業するまでしか働けないため、卒業後に留学生の在留資格を就労資格に変更したいと考える企業は多いでしょう。

しかし、通常の就労資格では飲食店の現場では働けない。日本での就労が認められている外国人は一定以上のレベルが求められているため、いわゆる管理業務以外には認められません。つまり、会社が気に入った留学生アルバイトを正社員として採用しても、調理スタッフやホールスタッフとしては働かせられないということです。以前は店舗管理責任者という名目で就労資格が認められていたこともあったようですが、今は店長などの仕事でも現場で働くことはできません。

また、新たに特定活動46号という在留資格ができ、こちらは、飲食店での調理やホールもできますが、日本の大学を卒業している上に、日本語能力試験で最高位のN1を持っていることが要件となっており、非常にハードルの高い在留資格となっています。他に飲食店の現場で働かせられるビザとしては、就職活動の為のビザなどがあります。

 

特定技能という制度

2019年に特定技能という新しい制度ができました。特定技能とは日本の労働力不足を補うために新たに作られた在留資格で、特定技能「外食」では飲食店現場での就労が認められています。

技能試験、語学試験(N4以上)に合格することが要件ですが、来日したことのない外国人を招聘する目的の在留資格なので、それほど高いレベルには設定されていません。日本にいる留学生ならば簡単に受かるレベルでしょう。

 

特定技能は最大で5年間しか在留できない、また、外国人にとっては家族を日本に呼ぶことが出来ないなどのデメリットがあります。そのため、日本での就労を目指している外国人本人は嫌がる傾向がありますが、知らなかったとしても外国人を不法就労させれば、外国人本人だけでなく、採用した会社も罪になります。

*家族を新たに呼ぶことはできませんが、すでに家族が日本に滞在している外国人の場合、特定技能ビザに変更しても、家族はそのまま、日本に滞在し続けることができます。

特定技能一号で家族と日本に在留できる例外措置

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特定技能で外国人を採用するメリット

特定技能は技能測定試験や日本語能力試験に合格していることが、申請の要件ですので、特定技能の在留資格を持っているだけである程度の日本語能力、仕事上のマナーがあることが保証されていることになります。また、日本に留学している留学生や、すでに日本で就労している外国人にとってはそれほど難しい試験ではないので、留学生などから移行しやすいです。

また、特定技能で継続的に外国人を受け入れることは長い目で人材不足を解消する事ができます。もしも留学生のアルバイトなどの正社員雇用を考えているならば、特定技能の試験は毎月やっているわけではありませんので、採用中の留学生アルバイトにはあらかじめ技能測定試験を受けさせておくのが好ましいです。

*現在は新型コロナの影響で帰国が困難な学生に、特定へ移行するためのビザという制度があります。

新型コロナウイルス感染症の影響により実習が継続困難となった技能実習生等に対する雇用維持支援

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外国人を不法就労させてはいけない。

特定技能という制度で正式に外国人を採用できるようになった現在、飲食店などでの在留資格のチェックも今後ますます厳しくなっていくことが予想されます。不法就労助長罪はでは、すでに何人もの逮捕者が出ています。これらはすべて、技術・人文知識・国際業務などの在留資格で、入管の申請時には本社で働かせるなどと虚偽の申請をし、実際には現場で働いていた場合です。特に、外国人の転職者には要注意です。不法就労助長罪はそれが犯罪だと知らなかった場合も罪に問われますが、転職者の在留資格をよく確認せずに不法就労させてもやはり、罪になります。外国人の在留資格は在留カードをみれば一発でわかります。上述した在留資格以外の在留資格で外国人が飲食店で働くことはできません。特に多いのが技術・人文知識・国際業務という在留資格です。面接に来た外国人が、自分の在留資格で、飲食店で働ける。なぜなら、友達もそうしているからなどと外国人に言われても、決して採用してはいけません。どうしても採用したい場合は特定技能へ在留資格を変えさせてから採用しましょう。

このように、外国人採用を考えている企業は、まずは、特定技能での採用を考えてみてください。

 

特定技能は入管に提出する資料の量がおおいため、取得が大変と考えるかたも多いかもしれません。実際には要件さえ満たしていれば許可されるので、その他の就労資格よりも比較的簡単に取得できます。特定技能での外国人材の受け入れは国の方針であるため、入管も積極的に許可を出す傾向があるからです。

 

当事務所は特定技能での申請経験が豊富にあります。海外から呼び寄せるだけでなく、留学生やその他の就労資格からの変更申請も可能です。悩んでいる企業様はぜひ一度ご相談ください。

 

 


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